みずほ銀行ら、アスターネットワーク活用で実証事業

株式会社みずほ銀行は27日、渡辺創太氏が代表を務めるStartale Labsの日本法人である株式会社Startale Labs JapanらとともにNFT(非代替性トークン)・メタバースを活用した球磨(くま)焼酎のブランド力向上に向け実証事業を行うことを発表した。

実証事業では、日本発のパブリックブロックチェーン「アスター・ネットワーク(ASTR)」上で稼働するメタバースプロジェクト「COSMIZE(コスマイズ)」を活用する

球磨焼酎は、熊本県球磨郡および人吉市で製造される本格焼酎のブランドのひとつ。日本に4つしかない産地呼称が認められた米焼酎であり、500年の歴史を誇る。

今回の発表に先立ち、この取り組みは熊本県が公募した「令和5年度web3等先端技術を活用したDX実証事業」に採択された。熊本県では2022年6月にDX推進のための産学官金の情報共有・共創の場創出等を目的に「くまもとDX推進コンソーシアム」が設立されている。県としてはとりわけ、ブロックチェーン・NFTなどweb3技術に着目しており、これらの技術を活用して従来のサービスや仕組みの変革、地域課題の解決方法の創出を図りたい考えだ。

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実証事業の概要

実証事業では、熊本県の抱える課題の一つである県産品のブランド化を念頭に、県産品の球磨焼酎のブランド認知拡大および関係人口の増加に向けてNFT の発行や各種イベントを実施する。

球磨焼酎・web3に関心があるモニター(500人程度)に対して「ベースNFT」を配布した後、配布された人が球磨焼酎に関する情報発信など球磨焼酎のブランド力向上に資する活動を行った場合に、活動履歴を証明する「パーツNFT」を配布。両方のNFT保有者には球磨焼酎の交換券、試飲会への参加券などの特典がある「真NFT」を交付する仕組みだ。

さらに、メタバースを活用した熊本県主催イベントも開催し、焼酎に関心の薄い若年層など、新たなファンの獲得・関係人口創出も視野に入れて実証事業を展開するという。

出典:プレスリリース

コンテンツ第一弾として、同事業のプレイベントが10/16(日)に開催される。

実証事業にはみずほ銀行、Startale Labs Japanの他、COSMIZEを運営するNew World Lab Pte. Ltd.と株式会社Blue Labも参画する。

Blue Labは、みずほ銀行と株式会社WiLとが中心となり2017年6月に設立された新規事業のインキュベーターカンパニー。公式サイトによれば、ブロックチェーン・IoT(インターネット・オブ・シングス)・AIなどの領域を対象としている。

各社の役割としては、みずほ銀行が実証事業全体の推進・球磨焼酎に関する情報提供・イベント企画などを、Startale Labs Japanがブロックチェーン・NFTにおける技術支援などを、COSMIZEがメタバース空間・NFTの作成及び発行における技術支援などを、Blue LabがNFT発行・NFT保有者向けの球磨焼酎に関する特典付与などを担う。

今回の発表に際し、みずほ銀行熊本支店支店長の鈴木義則氏がコメントを寄せた。

NFT・メタバースは2,30 代の若年層が関心を寄せている技術であり、本実証事業においても若年層を主なターゲットとして想定しております。本事業を通じ、球磨焼酎になじみの薄い層に対して球磨焼酎の認知拡大・魅力発信を行い、物理的な距離に囚われない関係人口の創出に貢献できるよう尽力いたします。

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参考:公式発表

参考:くまもとDX推進コンソーシアム

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